弊社ミニ博物館“地球&宇宙”の名誉館長で、鉱物学者の豊(ぶんの)先生の名誉なニュースを紹介いたします。

2014年10月

新鉱物にBunnoite(ブンノアイト)という豊先生の名前が付きました。

 豊先生は渡辺教具ミニ博物館の名誉館長です。 鉱物の分類学分野の第一人者で、これまで産総研地質標本館(つくば) の館長を務められ、膨大な鉱物標本の収集や整理などに携われてきました。 その長年の功績にちなんで、新たに発見された新鉱物に豊先生の名前、 「ぶんの」がつけられたのです。(新鉱物であることは本年9月国際学 会で承認されました) ちなみに、新発見の鉱物には人名、化学組成、発見された産地名が付け られますが、弊社としても名誉なことです。  私たちの身の回りに見られる石(岩石)は大抵いくつかの鉱物から できています。鉱物とは石を形作る部品のようなもので、その種類は およそ5000種以上にもなります。それぞれの鉱物は、どのような 元素が組み合わさってできているかという化学組成と、結晶のでき方 (結晶構造)で区別し分類されています。たとえば、六角形のきれい な形で知られる水晶(石英)は珪素と酸素が規則正しく配列してでき たものです。 豊石(Bunnoite)  今回命名された豊石は、これまでに発見されたことのない化学組成 と結晶構造とを持つ新鉱物でした。採集された場所は高知県いの町の 鉱山跡で、鉄マンといわれる真っ黒な鉱石の中から見つかりました。 暗緑色の葉片状をした結晶で、その密集しているところはお茶の葉の ような深緑色に見え、粗い部分は褐色をして見えます。 ほかにも葉片状の結晶を持った鉱物はありますが、豊石とはこの緑が かった色で区別することができるでしょう。現在、世界でこの高知県 いの町の鉱山跡が唯一の産地で大変珍しい鉱物です。 (近く、浜根他によって学会誌に報告されます)

写真 東京大学物性研究所電子顕微鏡室 豊石から転載