寺薗先生講演

「月探査機かぐやがもたらした輝かしい成果
 〜不思議な衛星月と地球の関係〜

2010年9月19日

渡辺教具2階のミニ博物館で15名の参加者を迎えて楽しい講演が開催されました。大阪、仙台、厚木、群馬など新幹線を使っての参加の方々もいらっしゃいました。
かぐやがもたらした膨大なデータはまだ全部解読されているわけではありません。日本中、さらには世界全体の月・惑星科学者が、「かぐや」が残した膨大なデータと取り組んでいます。
今回の寺薗先生の講演では、まず、「かぐや」がどのような探査機であったかを振り返り、その成果について語りました。寺薗先生によると、「今回紹介した分はまだほんのさわり」ということで、多くの解析成果が出ており、さらにこれからも出てくるだろうということでした。
また、講演では、「かぐや」が撮影したデータをもとに、月面の地形を再現し、あたかも月面を飛行しているかのようなコンピューター・グラフィックスも上映されました。クレーター上空を自由自在に飛行したり、月面の溶岩ドームの穴を上から見た映像などに、参加者の皆さんも釘付けになっていました。
その後、講演の内容は月と地球の関係へと移りました。月の成り立ちが地球のでき方と大きく関係している、という話から、皆既日食が起こるのは月と地球のみかけの大きさが「たまたま」一致しているという話まで、普段聞くことのできない月とちきゅうとのつながりを意識させるような内容でした。

講演が終わってもなごやかな歓談が続きました。数多くの質問や、寺薗先生の楽しいトークなどであっという間に時間が過ぎていき、最後はサイエンス・カフェ風に、お茶を飲みながらテーブルを囲んでお話しが尽きません。
すべてが終わった頃には、日はとっぷりと暮れて夜となっていましたが、参加者の皆様も、中秋の名月を前に、月への認識を新たにしたようでした。